曇り空から青空に!

老いて身体が多少不自由でも、楽しまなくちゃ人生は一度きり。最後は笑顔でありがとうと終われるように

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トイレで低温火傷

我が家は水回り及び1階の段差解消のバリアフリー化は、2011年に済ませています。 これは娘が神経の病気で、下半身麻痺になり車椅子生活になったためです。

全く立てませんし、自分の意思で下半身を動かす事も出来ません。 手先も少し不自由で箸を使えないので、スプーンフォークを使用して食事します。 字を書くことは練習して出来るようになりましたが、指先を使うこまごまとした事ができません。 そして、お腹に力を加える事も難しいので座位を取る事ができません。 つまり、寄りかかる物が無いと足を投げ出して座る事が出来ないのです。

我が家は30年前に建築した家ですので、段差があちこちにあり、自力では車椅子でトイレにも行けません。 そして、浴室はユニットバスですが18センチ位下がっていましたので、とりあえず最低限の事を車椅子の娘が自分で出来るようにと、1階のリフォームを行いました。

単にバリアフリー化いっても、段差解消と、手すりをつければ良いわけではありません。 障害や、体の不自由な場所、体格によって手すりの有無、場所、必要なスペースが違います。 この様な事は、私たちが暮らしながら、アドバイスを受けながら、病院や公共の設備を利用して感じた事です。

その様に、試行錯誤して出来る範囲で行ったリフォームですが、ある日の夜中に娘が一人でトイレに行き、左右の手すりに体重を預けながらパジャマのズボンや下着を上げようとしてバランスを崩し、便器と手すりの間に挟まって動けなくなるり、背中に低温火傷をした事があります。

この、トイレの向かって右側の手すりです。

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暫くの間そのまま自分で抜け出そうとしたようですが、出来ずにもがき何度か私を呼んでいるうちに私が気配で気付きました。 簡単には救出できずに、冬でしたので毛布や電気ストーブを持ち込んで、暖を取りながらでした。

この右側の手すりは跳ね上げ式ですので、この手すりを上に上げようとすると丁度あばら骨が当たっていて痛いのです。 下にも落ちきれず、あばら骨で止まっている状態。

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ヘルパーさんに電話をかけても夜中で熟睡されているのか繋がりません。 我が家から1時間近くのところに住まいのある男性ヘルパーさんに連絡が付きましたが、到着まで1時間もこのまま。 この手すり(かなり重い)を取り付けてある壁から外すしかない。 当時の私は腰の手術後で重い物を持つ事ができませんし、特殊な工具もありません。 外すとしてもどなたかに手伝ってもらうしかありませんが、真夜中です。 消防署に救助をお願いするしかないと考えました。

ところが、意外にも娘が冷静でした。 それまで、落ちかけている娘は下へ、手すりは上に上げようとしていたので痛かったのです。 「手すりと一緒に私が上に上がればいいんじゃないの?」と 確かにそうです、上には便器がありませんから広い空間があります。

腰に負担をかける事が出来ない私は膝の上に娘を載せて、二人で「せーの」と呼吸を合わせて肩で手すりを上げながら娘を上に引き上げることで救出出来ました。

その時は気付きませんでしたが、便座が当たっていた背中に少し低温火傷

背もたれを付けずタンクにもたれるように、使用しているのですが、背もたれを付ける事も考えて壁には補強も入れてありますし、背もたれ取り付けのためのスペースを残した為に少し手すりが離れてしまったのです。

危険だから背もたれを付けようと提案しましたが、要らないとの事でそのまま。 夜中にトイレに起きるのなら、私を起こすよう提案したのですが、殆ど私を起こす事はなく、例え落ちても自力で脱出してトイレはそのままです。

どんなに考えても、障害者や体の不自由な人にとってのベストは無くて、苦労して暮らしています。 このトイレのリフォームの時も、業者さんから人それぞれ(体格や不自由な個所)力を入れやすい場所があるからと試しながらつけてもらった手すりですが、我が家はメーターモジュール(壁の芯から芯の間が1m)の為トイレの幅も広く車椅子が動けるスペースはありますが、その分壁付けの手すりが離れてしまいます。手すりも付け過ぎると、その分出っ張りが出来るので車椅子で動いたり、介助の人が入ると窮屈になります。

バリアフリーと一概に言っても難しいです。

旅行などで、バリアフリーの宿泊先を調べますと、ただ玄関の段差が無いだけをバリアフリーとうたっているところもあり、客室のトイレ入り口に段差がある、横幅が狭くてトイレにすら入れないようなところが多いです。その様なところは勿論お風呂にも入れません。 ひどい所は、客室内に車椅子が通るスペースすらありません。 この様な中で、東横インバリアフリールームのトイレと浴室は全国ほぼ同じ使用で設計されていますので、バリアフリールームのあるところですと車椅子の人には安心で使い易いです。 壁が薄くて通路を通る人の声が聞こえるとか、布団や備品は快適とは言えませんが、水回りが使い易い事は車椅子の人にはありがたい事です。 そして、東京大阪などの都会では誘導してくださる専門スタッフの方がおられますので、障害者でも移動しやすいです。 地方ですと、駅員さんなどスタッフも少ないので事前に電話で依頼して行動しないと、難しいです。 事前にお願いすれば、JRでは無人駅でもスタッフがその列車に乗り込んで乗降介助をしてくれます。

この様に暮らしながら知識を得、多くの方に助けてもらって暮らしていました。